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外来・入院調剤
外来・入院調剤部門では、外来及び入院患者さんのお薬を調剤しています。
医師が患者さんの症状に応じた処方を電子カルテにてオーダすると、外来・入院調剤部門で処方せんが発行されます。
薬剤師は発行された処方せんに記載の薬品名、用法・用量、飲み合わせ等を確認し、処方内容に疑義があれば医師に問い合わせの上、調剤します。
全調剤過程において、調剤支援システムを活用し、さらに薬品1つ1つに付いているバーコードを利用した多重チェックを行うことで、正確かつ効率的にお薬を渡せるよう努めています。
注射薬調剤
外来および入院患者さんの注射薬を調剤しています。
電子カルテと連動した注射薬調剤支援システムを構築しており、詳細な処方の解析が可能となっています。
注射薬自動払出機を2機設置しており、当直時を含めた全時間帯において、ほぼ全ての処方に対して自動払出機による調剤を行っています。さらに、薬品一つ一つについているバーコードを利用した監査システムを活用することで調剤過誤の防止に努め、より安全な医療の提供に貢献しています。
麻薬管理・手術場常駐
麻薬管理
麻薬は中枢神経に作用し、精神機能に影響を及ぼす物質です。依存性や耽溺性があり、乱用された場合有害性が非常に強いため、麻薬は「麻薬及び向精神薬取締法」を遵守して厳重に管理していく必要があります。
麻薬係では、麻薬の譲受、管理、保管、払い出し、残薬の処理等に関する業務を行っています。
また、医療用麻薬の他に、向精神薬、覚醒剤原料などを適正に使用するための管理も行っています。
手術場常駐
各種の医療及び事務職員、関係者が出入りする手術場において、医薬品の適正使用や盗難等の防止のために、厳重な医薬品管理が要求されています。
2007年11月より医薬品適正管理の質的向上、経営効率の向上及び業務の効率化を目的に薬剤師の手術場常駐を行っています。
具体的には毒劇薬・向精神薬・高貴薬品を含めた薬品の管理、手術症例ごとの使用薬品のチェックによるコスト漏れ防止、手術時の麻薬・手術持参薬の払出、返納、使用薬剤の補充及び術後疼痛管理のPCA(Patient-controlled analgesia)の無菌調製を行っています。
薬物療法支援
入院中の患者さんに安全かつ適切な薬物療法が提供できるよう、医師・看護師をはじめ多職種で連携したチーム医療を実践しています。
薬剤師は投与される薬剤の効能・効果、用法・用量、薬物相互作用、投与速度、配合変化等を確認するとともに、患者さんのベッドサイドへ伺い、使用している薬剤の目的や用法・用量、服薬の意義等を説明し、患者さんに安心して薬物療法を受けていただけるよう努めています。また、投与された薬剤による副作用や相互作用のチェックを行い、医師へフィードバックすることにより、安全な薬物療法が提供できるよう心掛けています。
当院では、病棟薬剤業務実施加算1・2を算定しており、各病棟に専任薬剤師を配置しています。病棟専任薬剤師はTDM業務をはじめ、処方提案等を通じて医師の診療支援を行うとともに、病棟に配置されている医薬品の管理や他職種への情報提供を行い、医薬品の適正使用に貢献しています。
医薬品情報
患者さんに医薬品を有効かつ安全に使用して頂くために、医薬品に関する情報を収集・発信し、医師、薬剤師、看護師、他の医療従事者からの問い合わせに対して調査、回答しています。
また、DIニュース(厚生労働省などから発行される緊急安全性情報や医薬品・医療機器等安全性情報、使用上の注意の改訂情報、新規採用薬品・削除薬品通知、MedicalNews等)を毎月発行し、病院内へ伝達しています。
このように医薬品について多くの情報を収集し、整理保管すると共に医薬品適正使用に関する情報を提供しています。
その他、新規に発売された医薬品のヒアリング、薬品マスタ登録作業、電子カルテ処方チェックシステムのメンテナンス、薬剤部内勉強会開催等の業務も行っています。
がん化学療法
院内で使用される抗がん剤(外来1600件/月、入院400件/月)の調製を行っています。
抗がん剤調製は医療者への曝露対策に注意しながら、安全キャビネット内で正確かつ無菌的に行っています。
また、薬剤師は安全かつ適正に抗がん剤治療が行われるよう、レジメン(がん治療の計画書)管理から個々の患者さんの投与量・間隔等の監査を行っています。
抗がん剤治療は、安全で有効性の高い抗がん剤の開発、副作用対策の確立等により外来通院での治療が主流となっています。
外来化学療法室では患者さんが安心して抗がん剤治療に臨めるよう、薬剤師が抗がん剤の副作用やその対策について説明を行ったり、副作用の有無のモニタリングを行ったりしています。
医薬品管理・院内製剤調製
医薬品管理
医薬品管理とは、医薬品の購入と医薬品の品質及び在庫管理を行うことです。
品質が保証された医薬品を購入し、それらを正確に円滑に供給し、また経済的な面で無駄をなくすために、きめ細かな管理が求められます。
医薬品管理室では、電子カルテと連携させ毎日の処方データをもとに調剤室から薬品倉庫への自動請求、発注、在庫管理などの業務を薬品管理システムで行い、緊急の場合でも的確に医薬品が供給される体制をとっています。
また、各科外来・病棟には、緊急時すぐに必要な薬品、消毒薬などが常備されていて、それらの薬品の補充と管理を行っています。
また、定期的に常備薬品の保管状況、使用状況、使用期限などを点検しています。
院内製剤調製
院内製剤は、患者の状態、疾患の種類や程度、治療効果あるいは規格・包装単位などの理由により、市販品では十分対応できない場合に、院内で製造する医薬品を指します。
- 迅速に調剤するために、頻繁に処方される薬剤をあらかじめ混合や分包しています。
- 製品が市販されていない薬剤を使用するために、医師からの依頼を受け、市販医薬品の剤形を変更したり、医薬品ではない試薬を使用して特定疾患専用に薬剤を調製します。この場合、院内の「未承認新規医薬品等評価委員会」で有効性と安全性について検討され、承認・許可を受けた後、患者様に対して十分な説明を行い、同意を得てから投与が行われます。
治験薬管理
治験薬管理係は、当院で実施している治験薬の保管・管理を担当しています。治験薬は、それぞれの治験の治験薬管理手順書に従い、治験薬の保管や払い出し、使用状況の確認を行っています。これらの業務を通じて「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(GCP)を遵守し、質の高い治験を実施するためのサポートを行っています。治験について詳しくお知りになりたい方は、臨床研究センターのホームページをご覧ください。
薬事総務
薬剤部内の研修や薬学実務実習が円滑に行えるようサポートしています。薬剤部に係る統計調査や医療用高圧ガスの管理を担当しています。